「まさかお返事を頂けるとは思わなかったので、本当に嬉しかった。山田さんから届いたのは縦書きの便箋3枚で『誠意あるお手紙をありがとうございました』という一文から始まっていました」──そう懐かしそうに語るのは、女優・石原真理子(59)である。 昭和の名女優として知られる彼女の代表作『ふぞろいの林檎たち』(TBS系)は1983~1997年にかけてパートI~IVが放送され、日本中を魅了した。脚本を手がけた山田太一さん(享年89)は11月29日に老衰のため死去したが、手がけた作品はテレビ史に刻まれている。石原は当初、パートIIIの出演を固辞していた。 「その頃は米ロサンゼルスで生活していて、スタッフから国際電話で出て欲しいと頼まれましたが、IとIIの撮影があまりに辛くて色々と考えていました。すると『山田さんがお手紙を欲しいと言っています』と言うので送ったところ、ご本人からお返事が届いたのです」 19