9)「黒沢清の映画術」 黒沢清 (新潮社) 「映像のカリスマ」の増補改訂版が今夏発売というのは、キー坊周辺のサイトやブログでは散々語られているので、「映像のカリスマ」を持っている身としては買うべきか否か判断に迷うところだったので、書店に並ぶ本書を手にとって中身を眺めると、ロングインタビューで全作が語られているだけなので、増補改訂版どころか全く違うではないかと思って購入したが、これは自分がよくその周辺情報を読んでいなかった為の勘違いで、「黒沢清の映画術」は「映像のカリスマ」の増補改訂版とは別物で、そちらは来月後半に発売されるとのこと。 では、「黒沢清の映画術」は買う必要がなかったのかと言えばそんなことは全く無い。むしろ、かなり面白そうだと胸膨らむ内容に思えた。黒沢清の自主映画時代から1作1作への言及も当然面白いが、個人的には本書が優れた伊丹十三論になっていることに驚いた。 当然ながら、それは