永沢徹(弁護士) 【第46回】 2008年09月19日 リーマン破綻で突きつけられた グローバル企業倒産手続きの法的問題点 ――グローバル時代にふさわしい“国境を超えた”倒産手続きとは? 米国第4位の証券会社リーマン・ブラザーズの破綻。15日の破綻以降、証券市場に留まらず金融市場全体に、米国内に留まらず世界経済全体に大きな影響を及ぼしている。自己責任という建て前のもと、リーマンへの公的資金注入を見送りリーマンを見捨てた形となった米政府も、あまりの影響の大きさにたった2日で方針を変更。17日、同じく経営不振に苦しんでいる保険会社AIGに対して、約9兆円にも及ぶ公的資金注入を決定した。しかしまだアメリカ経済に対する不安要素はぬぐいきれておらず、日本を含め、世界の株式市場は不安定な状態。まさにリーマンショックという状況が続いている。 グローバル企業であっても 国別にせざるを得ない倒産手続き