2005年春から始まった非流通株改革を経て、中国の証券市場における発行済み株数の七割を占めていた非流通株(国有株、法人株)のほとんどが、一定のロックアップ期限を過ぎれば、自由に売却できるような仕組みができた。これにより、非流通株と流通株の共存という証券市場の二重構造が次第に改められ、最終的には解消されることになる。その結果、非流通株主と流通株主の利益が一致するようになるだけでなく、国有株が市場で売却されることを通じて、大型国有企業の民営化への道も開かれるようになった。これによってもたらされるコーポレート・ガバナンスの改善、ひいては企業の収益の増大への期待は、株価を押し上げている。 しかし、その一方で、流通可能になった国有株と法人株が大量に売却されることは、日本における「持ち合いの解消」と同じように、市場の需給関係を悪化させることを意味する。特に、現在の株価は、PERが60倍を超えるなど、す