著: ぼく脳冷えた街では輪郭が溶けずひとり一人がダマになり孤独を感じるが、温かい街では人と人、人と街がよく混ざっている感覚がある。街はココアなのだ。東京都北区東十条、僕はこのココアが好きだ。 年齢を重ねるとともに好む場所にも変化があり、最初は若さ特有の尖りなのか孤独を感じる場所が好きで、20代後半くらいから次第に孤独にならず一人になれる場所が落ち着くようになってきた。ここはそんな自分にとってちょうどいい場所だったのだ。 JR埼京線赤羽駅からJR京浜東北線で一駅。僕なりの東十条を紹介しよう(風呂に入って飯を食う) まず駅を降りてすぐ、東十条商店街がある。ここには全てがある。ワンピースの正体が東十条商店街だとしても僕は驚かない。正確には全ては無いのだが(わかっているとは思う)。 「全てがあるように見せるのがうまい」といった感じだろうか。演歌専門店があってケバブ屋があったらそれはもう「全て」があ