3月11日の東日本大震災発生から6月末までに岩手、宮城、福島の3県で確認された現金自動預け払い機(ATM)からの窃盗被害が計56件、6億8400万円に上ることが警察庁のまとめでわかった。 被害額の約6割にあたる4億2000万円は、東電福島第一原発の20キロ圏内で、無人のコンビニエンスストアや金融機関が狙われていた。同庁によると、3県では、無人店舗に残っていた現金の回収が終了しており、今後被害が広がることはないが、13日までのATM盗の摘発は1件にとどまっており、捜査は難航している。 岩手、宮城両県の被害は22件で、津波を受けて横倒しになったATMから約2億円が盗まれた。福島県では津波に遭うなどした6件を除く28件は、3月12日に避難指示が出て以降、ほぼ無人になった20キロ圏内の被害だった。