いま、世界中で、半導体の製造能力をめぐる熾烈な競争が起きている。日本でも世界最大の半導体メーカーである台湾のTSMCの工場を熊本県に建設するなど半導体政策に力を入れているが、その政策は問題点だらけだった…。 【図を見る】『半導体有事』より 自己矛盾に陥っている経産省の半導体政策経産省は、今のままでは日本半導体産業のシェアが2030年に0%になってしまうという危機感を持った。そこで、シェアの低下を止め、上昇に転じさせるための政策を立案した。 その目玉が、半導体工場の新増設に補助金を投入する改正法だった。この改正法は、2021年12月20日、参議院本会議で与党などの賛成多数で可決し、成立した。その改正法により、補助金は国立研究開発法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に設置する基金から複数年にまたがって拠出する。その基金は、2021年度補正予算でまず617