将棋の局面数は10の220乗だと言われることがあります。実は、この見積もりは正しくないとされており、実際の局面数はもっと小さいと推定されています。この「220乗」説の検討は次回にまわすとして、今回は将棋の局面数をざっくりと見積もってみたいと思います。 将棋の局面数については、篠田正人先生の見積もりが有名であり、「将棋における実現可能局面数について」(pdfファイル)という論文において、10の60乗以上70乗未満と下限・上限を厳密に算出し、さらに68~69乗程度ではないかという推測を述べておられます。篠田先生は数学者らしく“はさみうち”の方法を用いて慎重に見積もっておられるのですが、ここでは、物理学的な近似計算を用いて大胆に見積もりたいと思います。 まずは、以下の仮定で局面数を計算します。 王手については考慮しない。 持ち駒、成り/生駒、先手/後手駒は全ての数の組み合わせの場合に分けて積算す