乳児用液体ミルクの解禁を働きかけている主婦 末永恵理さん(37) 「液体ミルクがあれば」。ネットの議論を知ったのは、銀行を辞め、横浜で0歳の娘の育児に専念していた2014年秋。母乳育児に悩んだ経験があり、ひとごとではなかった。 日本で売られる乳児用ミルクは、お湯に溶かして冷ましてから使う粉ミルクだけ。欧米では牛乳のようにそのまま飲める液体ミルクも買うことができる。 「なぜ?」。厚生労働省やメーカーに電話した。食品衛生法に基づく安全基準に粉ミルクの規格しかないことを知った。メーカーはニーズが把握しきれず、開発には消極的だった。ネットで署名を始めるまでたった1日。「自分でも不思議。社会とつながりたかったのかも」 1カ月で1万筆に達した署名には、母親たちの切実な声があふれていた。「一番大変な人は動けない。私がやる」。社会活動家のブログで働きかけ方を研究。国への要望の仕方は、アポなし電話をきっかけ