英国のパブ常連客にとって最大の悩みは、至って単純なものだった。ビールにするかウイスキーにするか、生にするか瓶にするか、1パイントにするかその半分にしておくか、などだ。 それが今では新たな問題にますます突き当たるようになった。その問題とは、チップを払うかどうかだ。 英国最大のパブチェーンの一部は、飲食料金に10%かそれ以上のチップ支払いを客に求め始めている。パブは英国の古き良き伝統が感じられる場所であることが魅力であるだけに、チップの請求に客は気まずい思いを禁じ得ない。 「パブでは列に並び、そして待たされる。してもらうことと言えば、飲み物を渡してもらうだけだ。それでチップを払うというのは、私たちにとって普通ではない」と、バッキンガム宮殿近くのパブ「フェニックス」で友人らとラムコークを飲んでいたジュリエット・レインさんは話した。ロンドンでプロジェクトマネジャーを務めているというレインさんは、チ