「混合診療」という言葉をご存じだろうか。初めて聞いたとき、いろんな治療法を合わせて行うことかと思ったが全く違った。保険のきく診療ときかない診療を組み合わせて行うことだそうだ。「なんだ、そんなことか」と思うが、では、これが我が国では認められていないということはご存じだろうか。 混合診療の問題は、規制緩和の一環として何年も議論されてきたが、ここ数日は、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加問題に絡んで注目を集めている。 日本医師会は、TPP交渉参加に反対の立場だ。もしTPPの下で混合診療が解禁されれば、米国の営利企業による病院経営が日本に導入され、過疎地の医療がおろそかにされるなどの弊害が予想される上、日本の誇る公的医療保険制度が自由な医療市場の拡大を阻害しているとして問題視され、協定違反として提訴されるのではないかと懸念している。米国はかねてから日本に医療サービスの自由化や混合診療の解禁