【今直也】東京大は26日、同大分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授(54)の研究グループの論文計51本について、「科学的な適切性を欠いた画像データが使用されていた」とする中間報告を発表した。来年中にも最終報告をまとめ、関係者の処分や研究費の返還も検討するという。 東大が不正問題の調査で中間報告をするのは異例。「日本の学術研究の国際的な信頼も揺るがす大問題」(大和裕幸副学長)との危機感による。 調査は、加藤元教授が同研究所に所属していた1996~2012年に発表された、加藤元教授や研究室のメンバーが著者になった論文165本が対象。不適切とされた51本のうち43本は画像の捏造(ねつぞう)や改ざんなどの不正の疑いがあり「撤回が妥当」と認定し、8本は「訂正が可能」とした。すでに13本は撤回されている。