「スウェーデンの最大の外貨収入源となる産業は何だと思いますか?」 過日、聖心女子大学で開催された講演の壇上から、モハメッド・チャイブ教授(ヨンショーピン大学教授/スウェーデン全国生涯学習センター「ENCELL」所長)は聴衆に問いかけた。 誰もがボルボやエリクソン、エレクトロラックスといった企業名を思い浮かべた時、意外な正解が明かされた。 「スウェーデン最大の外貨収入源は音楽産業なのです」 確かにスウェーデンポップスは1970年代にアバの大ヒットがあっただけでなく、独特で新鮮なイメージを世界に発信しているし、最近のミュージカル映画でもアバ人気は再燃している。それに、北欧のジャズシーンは世界の注目を浴びて久しい。教授は、欧米のミュージシャンがスウェーデンで行うPV撮影による収益も膨大だと言う。 「工業社会」から「知識社会」へ 「重工業は国を代表するイメージが強いですが、企業が大きくなれば工場を