宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1日、昨年12月に金星周回軌道への投入に失敗した金星探査機「あかつき」が小型エンジンを逆噴射し、平成27年以降の再挑戦に向けた軌道調整を行ったと発表した。同様の軌道調整を今月中にあと2回行い、金星周回軌道への投入に望みをつなぐ。 あかつき計画の責任者をつとめる中村正人・JAXA教授によると、あかつきは1日午後、JAXA宇宙科学研究所(神奈川県)の管制室からの命令に従い、姿勢制御用の小型エンジン4基を約10分間逆噴射。予定通りに速度を変え、太陽に近づく形で軌道を調整した。 今月10、21日にも行う軌道調整が成功すれば、金星周回軌道へ投入するためのポイントへあかつきを導くことができる。中村教授は「これから軌道データを精密に測るが、非常にうまくいっているようだ」と話した。 昨年5月に鹿児島県から打ち上げられたあかつきは、同年12月に金星周回軌道へ投入しようとした