職場の嫌がらせのうち、性的な要素を持つ「セクシャル・ハラスメント」や、職権を濫用して行う「パワー・ハラスメント」の問題点は、社会的に認知されつつある。しかし、その概念では捉えきれない「モラル・ハラスメント」が最近増えているという。明らかな暴力や暴言とは言えない、分かりにくく陰湿な攻撃である。 些細なきっかけで始まった「執拗な攻撃」 K子さんは、事務職のチーフとして新しい職場に赴任した。ある日、ベテラン事務員のA美さんと、ちょっとした意見の対立から言い合いになった。その場は収まったものの、翌週からA美さんの攻撃が始まった。 K子さんの提案に対して、A美さんは「違います」「それじゃダメです」と、強い調子でことごとく否定するようになった。しかし実際には、提案はひそかに上司に取り入れられ、A美さんの手柄になっているのだ。 またA美さんは「チーフは何でこんなことしたんですか!」と非難したり、K子さん
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