糖尿病が悪化した母親(当時67)に「殺してくれ」と頼まれて殺害したとして、嘱託殺人の罪に問われた長男(45)の初公判が10日、さいたま地裁であった。「おふくろは本心で『殺してくれ』と言ったのだろうか。病院に連れて行って、入院させてやれば良かった。本当に申し訳ないことをしてしまった」。法廷で長男はうつむき加減で話した。検察は懲役3年を求刑した。判決は24日に言い渡される。 同罪に問われているのは埼玉県川口市芝樋ノ爪1丁目、会社員亀田伸一被告。この日は、グレーのフリースとズボン姿で出廷。井筒径子裁判官の「間違いありませんか」の問いかけに「はい」と答え、起訴事実を認めた。 被告人質問などによると、20年前、父親が突然、姿を消した。被告は一人息子で、以後、荷造り会社で働きながら母親と2人きりで暮らしてきたという。「時に厳しいが、愛情あふれるおふくろだった。家事はほとんど任せていた」 だが昨春