政府が18日の閣議で決定した防衛政策は、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の唐突な配備撤回により、議論を尽くさないまま結論を急いだ末の産物といえる。地上型導入の名目としていた監視強化や自衛隊の負担軽減は達成されず、新たなイージス艦導入でコストも増大しかねない。(上野実輝彦) 「北朝鮮によるミサイルの脅威は高まっている」。岸信夫防衛相は閣議決定後の記者会見で、秋田、山口両県に置けなくなった地上型を艦艇に移す「イージス・システム搭載艦」導入の意義を強調した。防衛省は6月に地上型の配備を撤回した後、①護衛艦、②民間船舶、③石油採掘装置のような海上リグ、の3案を検討。②と③は自己防護能力などに問題があると判断した。