Access Accepted第335回:科学の進歩に貢献するゲーム ライター:奥谷海人 専門家の10年以上にわたる研究でも解き明かせなかったタンパク質の立体構造が,ゲーマーによってあっさり発見されてしまったという出来事が話題になっている。問題をゲーム仕立てにすることでゲーマーの関心を集め,スーパーコンピュータでも難しい問題を皆で考えてもらう。そんな試みが欧米の教育機関などで注目されている。今週は,ネットワークが発展した現代ならではの研究スタイルについてレポートする。 専門家が10年以上も悩んだ問題を,数日で解決 生物の体を作る“タンパク質”は,アミノ酸が長く連結した高分子化合物であり,アミノ酸の順番(一次構造)によって,多様な立体構造を作り上げている。これが“タンパク質フォールディング”(折り畳み)と呼ばれるもので,アミノ酸の配列から立体構造が正確に予想できれば,さまざまな病気に対応した