明治三陸津波で打ち上げられた津波石「本当だった」 明治三陸津波で打ち上げられた津波石。東日本大震災の津波もここまで達した=岩手県田野畑村 明治三陸津波(1896年)で岩手県田野畑村の羅賀地区に運ばれてきた「津波石」に、東日本大震災の津波が再び到達した。石が動くことはなかったが、羅賀の住宅計150軒のほぼ半数が全壊。あらためて津波の威力を見せつけた。 津波石は海岸から約360メートル、標高約25メートルの場所に2個ある。重さはいずれも約20トン。30メートル以上ともいわれる波高で集落を壊滅させた明治三陸津波の際、現在地に打ち上げられた。過去の調査では、もともと海底にあった岩石とされている。種類は水成岩。 「子どものころ、津波で運ばれた石と聞かされて冗談だと思っていたが、本当だったのか」。津波石がある場所の近くに住む漁師の山根峯行さん(76)が驚く。 羅賀では、がれきが集落の斜面を押し上