性同一性障害(GID)のため女子として生活している兵庫県在住の小学6年の男児(12)について、大阪医科大病院(大阪府高槻市)が抗ホルモン剤を投与して思春期の体の変化を抑える治療を始めることが19日、病院関係者への取材で分かった。GID学会顧問の大島俊之九州国際大教授(民法)によると、GID治療での抗ホルモン剤投与は中学生以下では国内初とみられる。 病院関係者によると、男性としての成長に伴う精神的な苦痛を緩和するには、抗ホルモン剤の投与が有効と判断。2月にも開始する予定で、男性ホルモンと女性ホルモンの分泌を抑える抗ホルモン剤「LHRHアゴニスト」を月1回注射する。健康保険の適用外で、費用は1回につき約3万5000円。 昨年夏から男児の血液中の男性ホルモン濃度が上がり、体の特徴が顕著になる「第2次性徴」が確認されたため、大阪医科大は治療方針を学内の性同一性障害症例検討会議で審議。倫理委員会でも