Haskellはオブジェクト指向言語ではないが、コードを書く上でオブジェクト指向の考え方を利用するのが便利なこともあると思うので紹介する。 オブジェクト指向とは何か オブジェクト指向という言葉に共通定義がないのは共通認識だと思う。気をつけないと議論が発散しがちなので、この記事ではオブジェクト指向の理念については扱わず、オブジェクト指向プログラミングで用いられるテクニックと、オブジェクト指向言語が提供する言語機能について専ら話題にする。オブジェクト指向の特徴として良く言われるのは次のようなものだと思う。 多態 インタフェースが同じだが異なる振る舞いをする異なる種類のオブジェクトを一つのコードで扱う機能。Haskellでは「オブジェクトを操作する関数一式」を受け渡しすることで簡単に実現できる。型クラスを使っても良い。 隠蔽 インタフェースと実装を分離し、実装を外部から見えないようにする。Has