東京国際大学特命教授・村井友秀氏国際関係を動かす大きな要因に、怒りや憎悪を生み出す被害者意識がある。 命より大事なもの戦争において最も重要なポイントは国民の戦う意志である。国民は自分の命より大事なもののために命を捨てて戦う。かつて共産主義諸国では、共産主義は個人の命よりも価値があると教えた。また民族主義も個人の命より価値があると教える。現在、元共産主義諸国では共産主義が民族主義に変身している。共産主義国家では基本的に武装した人民が国を守ることになっていた。旧ユーゴスラビアでは戦争になれば、国民の7割を動員することになっており(全人民的防衛)、1990年代の内戦では国内が戦闘員で溢(あふ)れた。