■根性で「はやぶさ」成功 今年6月、約7年間の飛行を終え、小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還した。約3億キロ先の小惑星「イトカワ」に着陸し、地表の物質を持ち帰る世界初の挑戦。豪州で回収されたカプセルの中身は今も調査が続く。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の川口淳一郎教授(54)は計画開始から15年以上、責任者としてチームを牽引(けんいん)。計画の立ち上げに至る道のりや、さまざまな困難を乗り越えて地球帰還を成し遂げた原動力などについて話を聞いた。(文 小野晋史) −−7年間お疲れさまでした。改めていかがですか 川口 月並みな言い方ですが夢のようで、現実なのかという錯覚を起こすほど。いろいろとトラブルがあったし、トラブルがなくてもできたかどうか。わが国は宇宙探査に格別のアドバンテージがあったわけではないのに、それが今、成功で終えられた。 −−JAXAのカプセル一般公開には10万人以上が訪れま