日本の地方におけるMaaSシステムの高度化を念頭において、高知県室戸地域の9市町村を対象に、「ある地域の来訪目的地(destination)と宿泊地(accommodation)の集積状況は地理的に異なる部分がある」という操作仮説を置いて、5×5フィルタリング法を用いた分析を行った。その結果、操作仮説は支持され、両者のメッシュ得点の相関係数は0.041と低い値になることを示すことができた。ただし、この相関関係の低さは、宿泊地(accommodation)の集積地は来訪目的地(destination)の集積地と対応するが、逆は真ならずという関係性にあることに起因することが示唆された。つまり、地方におけるMaaSを高度化するためには、導線としての二次交通(transportation)について、この様な地理的分散に配慮した計画が必要であるということが提言できた。