一億総クリエイター時代。どんな人間も、文章を書いてそこらへ発表でき、写真を撮って世に知らしめられるようになった。最新スマートフォンのカメラ機能は、今や一眼レフカメラに勝るとも劣らないほどのクオリティになったと言う。 僕には写真がわからない。日の丸構図しか知らん。手前の物にピンを合わせてシャッターボタンを押せば、何やら奥の風景がぼやけてくれるらしい。僕はよく知らん。だからあまり大きなことを言えない。 ただ、文章については言う。心から言う。思ったことを言う。言わせてもらう、じゃない。全部、俺の意思でもって、全身全霊、力を込めて、本気で言う。 なめんなよ。なめんじゃねえよ。文章表現をなめんなよ。『駄文です。ご笑覧ください』じゃねえんだよ。なんだそれ。謙遜はそんなに美しくねえよ。 “秘する文化” に美を覚えた日本人は、どうしても、自らが生み出す物、ないし自らより発する物を悪く言ってしまいがちである