檜書店は江戸時代から続く謡本うたいぼんの版元です。 その源流は、京都の山本長兵衛が江戸時代初期に出した観世流の謡本までさかのぼります。以来、360年にわたり、観世流宗家、金剛流宗家の謡本の版元として、能楽の普及と発展に勤めています。 画像:檜書店旧京都店 謡本うたいぼんは和紙や絹糸を使った和綴わとじの本です 謡本は能の舞台の中の一曲を「謡(うたい)」として部分的に抜き出した楽譜です。町人の間にお稽古事としての謡が流行ると同時に、印刷技術が広まり出した江戸時代初期から出版され続けています。 謡本は、和紙や絹糸など原材料の製造から、和綴じ製本の細かい技法まで、多くの職人さんたちの手で、支えられています。能が廃れると、謡本も売れなくなり、熟練の手仕事で支えてくださる職人さんの仕事も、立ち行かなくなります。これは、広く強く訴えたいと思います。 謡本と檜書店の歴史 能楽とともに生き、能楽を支える 檜