「人の生にこんなにも重味が感ぜられるのはその生命にこころなるものがあまりにも発達してそなわってしまったからなのであろう。人生とは生きる本人にとって何よりもまずこころの旅なのである」 生命の芽生えから人生の終章まで、ひとのこころの歩みを、その一歩一歩をたしかめるように、丁寧にたどっていく。人生への愛情と洞察にみちた静かな言葉の数々。 悩み、迷う人々のかけがえのない人生の書となるだろう。新資料として、著者が第一子の乳幼児期に丹念に記した「育児日記」を収録。(解説・米沢富美子) 第1章 人生への出発 はじめに/人生への出発/出会いのはじまり/適応ということ/人生の諸段階 第2章 人間らしさの獲得 人間らしさの発達図式/運動と感覚/あそび/ことば/社会性/感情生活 第3章 三つ子の魂 反抗と自律/自我の分化/前学齢期の発達図式/性の分化/社会化の問題 第4章 ホモ・ディスケンス 学ということ/日本