上杉謙信は、酒をこよなく愛した。けれども、いくら酔っても乱れることがなかったという。謙信が大酒飲みであったことを伝える書状がある。永禄二年(一五五九)第二回目の上洛のさい、関白近衛前嗣(このえさきつぐ)とたびたび室町幕府十三代将軍足利義輝の室町邸に招かれ、酒をご馳走になった。謙信三十歳、将軍と前嗣はともに二十四歳で、意気投合したらしい。前嗣の書状に「このあいだは、将軍と謙信がたびたび私の家においでになり、大酒を飲みました。」とある。おそらく京の銘酒「柳(やなぎ)」であっただろう。残念ながらガソリンではなくかなり強い蒸留酒でしょう。謙信は、無類の酒好きですから。