『原発のウソ』 6月に発売された扶桑社新書『原発のウソ』 が20万部を突破し話題となっている。著者は京都大学原子炉実験所の小出裕章氏。かつて原子力の可能性に夢を抱き研究者となるも、その危険性を知り考え方を180度転換し、以後40年間に渡り"異端"の扱いを受けながらも原発の恐ろしさを訴え続けている。本書は3月の福島原発事故後の書き下ろしとなる。 第1章では原発の構造を説明した上で、福島原発が今後どうなっていくのかを現在の状況を鑑みて予測する。今後起こりうる最悪のシナリオは「水蒸気爆発」だという。もし何かの拍子に融解した燃料ペレットが落下し圧力容器にたまっている水と接触したら、水は急激に熱せられ爆発を起こす。もし、この水蒸気爆発が起これば首都圏は壊滅してしまうだろうと小出氏は言う。 次いで、放射能とは一体どんなものであるのかという基本的な解説から入り、現在福島原発から垂れ流されている放射性物質