アジア太平洋地域の専門家が地域の安全保障について議論する会議がシンガポールであった。会議で日本は退潮国家、後退国家として言及された。私は強く反論したが、どこまで届いたか。日本への懸念の多くは、「ザ・フテンマ」が象徴する日米安保体制の運用ぶりに向けられた。 アジアでは、海洋国家群とも呼べるひとつの輪郭ができつつあるようだ。日本、韓国、台湾、フィリピン、ベトナム、シンガポール、インドネシア、豪州…。これらの国々や、地域(台湾)の最大の懸念は、中国海軍活動の活発化だ。特に南シナ海。中国海洋戦略への警戒感は、あからさまに表明された。 海洋国家群にとっては、日米安保体制はアジア太平洋地域の公共財だ。日米連携が海洋における中国のカウンターバランスになる。それなのに日本は日米関係を弱めて地域の安定を危うくしようとしている。何人もがそう言った。 日米関係の危機は、アジアを揺るがせる。肝心の普天間飛行場移設