日本の古代建築の代表ともいえる五重塔には、耐震構造がなされている。 下の図のように、法隆寺五重塔には通し柱がない。いや、法隆寺五重塔だけではなく、日本の木塔には、 ほとんど通し柱やいわゆる筋交いがないというのである。したがって、現在の建築基準法では、 こうした五重塔のような木造建築は許可されない。 法隆寺の宮大工西岡常一棟梁は、法輪寺再建の時に補強のた め鉄骨を使おうという建築学者を前に、 次のようなことを言ったという。 「大工の言うとおりにすれば、それでいいんや。飛鳥建築でも、白鳳建築でも、天平の建築でも学者が したのと違う。みんな大工が、達人がしたんや。我々は達人ではないけれども、達人の伝統をふまえてや っているのだから間違いないんや。いらん知恵出して、ヘンなことをしたら、かえって ヒノキの命を弱める のだから、やめてくれなはれ。」 「木に学べ」 西岡常一著より ○心柱閂(かんぬき)説
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