スクラッチしたパーツにモールドを入れていく 安藤賢司 バンダイ『S.I.C』シリーズなど、多数のハイエンドな玩具の原型を担当。「原型師がマスプロダクツ製品のパッケージに名前を刻まれる」という偉業を成し遂げ、「玩具原型」の認識を「作品」のレベルまで高める 前回に続きスカルピーでCATMANの頭部を制作して、胴体の造形に突入していきます。やはり、ある程度の質感表現の必要性を感じたので、体毛のモールド入れることにしました。 元々アニメーションのキャラクターは、1枚1枚描いて動かすという作業の性質上、それを成す線の数は少ない傾向にあります。それ故に、描かれた線1本1本の情報量はかなりの重さになります。その辺りをよく考えて、注意深く立体の情報(それと個人の趣味も)を盛り込んでいきます。今回の場合は、顔全体に満遍なく毛のモールド入れるのではなく、緩急をつけます。例えば、光を当てて、明るくなるところは少