納期を守りながら高品質を実現するためにはどうすればいいのか。近道は存在しない。結局,要件定義フェーズや設計フェーズなどの上流工程から,綿密な品質点検と欠陥除去を行うことが欠かせない。そこでプロジェクト計画において,詳細な品質管理計画を立案する必要がある。 布川 薫/日本IBM 企業情報システムの大規模化や複雑化に伴い,ソフトウエア品質の重要性はますます高まっている。とりわけ銀行のオンライン・システムなど公共性の高いシステムでは,品質向上は至上命題だ。 では,そのためにプロジェクトマネジメントにおいて何を行うべきか。世の中には欠陥を未然に防いでくれる魔法のツールも,エラーを排除できる画期的な設計手法も存在しない。慎重かつ地道な,品質向上活動があるのみである。 すなわちプロジェクトのスケジュール遅延とコスト超過を防止し,しかも高い品質を確保するには,自主検査やレビュー,テストなどの「欠陥除去工