その後、総主教のお言葉を賜わり、その中で「日本の古い詩句」について詳しく話をされた。 もちろん、カトリックやほかの正教徒のみならず、イスラム教徒も含めた訪問団の中で、日本について取り上げることは無難な選択であったかもしれない。 それでも、総主教のお話しぶりは日本文化への強い愛着が垣間見えるものであったし、グルジア人の日本文化への高い評価の表れの1つと考えてよいだろう。 総主教の引用された詩句の内容は、春には一面花が咲き誇るが、やがて冬になると雪が辺り一面を覆い、白一色となる。その光景の中では、善と悪の区別も難しい。しかし、やがてまた春となり、雪は解け、花の季節が始まるというものであった。 自然の移ろいの中に哲学的な命題を織り込まれているところに感銘を受けておられるご様子だった。 グルジアは非常に強固な親日国であり、その理由は簡単に言えばアジアとヨーロッパ(ないし中東とロシア)の「二重現象」