147センチの小さな体が何度も宙を舞っていく。そのたびに観客席からは大きな拍手が巻き起こる。 10月4日にさいたまスーパーアリーナで行われたフィギュアスケートのジャパンオープン。日本は小塚崇彦(トヨタ自動車)の不調もあり、男子終了時点で2位の欧州に27.05点差の最下位に沈んでいた。空席が目立ったスタンド同様、何とも言えない物悲しい雰囲気が会場内に漂う。そんな沈滞ムードを一掃したのが16歳の宮原知子(関大中・高スケート部)だった。 演技冒頭で難易度の高いトリプルルッツ+トリプルトゥループのコンビネーションを決めると、後半ではトリプルルッツ+ダブルトゥループ+ダブルループをきれいに着氷。スピンもレベル4を記録し、ノーミスでフリースケーティングのプログラム「ミス・サイゴン」を演じ切った。その素晴らしい演技の後に待っていたのは、スタンディング・オベーションだ。宮原は声援に応えるように小さく微笑ん