月面基地の発展に伴い、基地内の収納能力に限界を感じ始めた頃、新たな実験がスタートした。 地下に建設された月面基地の内部ではなく、月面で物資の保管を行うのだ。 核燃料や脱水汚泥などの身近に置いておきたくないものから、酸素ボンベや保存食品類、各種建材などのすぐには必要ないもの等、リストには無数の品目が並んだ。 月面に物資を保管する上で考慮しなければならない問題が数点。特に大きな問題点は以下の三点である。 ・宇宙線汚染 ・数百度にわたる温度差 ・流星直撃 これらを避けるために月面基地の大半は地中に建設されているのであり、さすがに野面で月面に物品をさらすわけにはいかない。 アイデアとして、まずは半地下を掘削し、コンクリート製の屋根を渡した『バンカー』が考案された。 しかし、月面の砂質を考慮すると、掘削に手間がかかり、またコンクリートの作成にも様々な困難が発生するため計画は頓挫した。 この時点で研究