代語訳『三州奇談』 その27「蛙還呑蛇」(巻の一) 現代語訳『三州奇談』、今回はその27「蛙還呑蛇」(巻の一)である。 『三州奇談』には大聖寺藩の話がいくつかあるが、「蛙還呑蛇」もそうで、宝暦の大火の予兆を語っている。次の話「中代の若狐」の前段として語られている。 『三州奇談』は、一話読み切りのかたちをとっているが、ここは二話完結とすべきかもしれない。 [訳] 近年、大聖寺に火災が度重なっている。大火事の前年に福田橋尼懸所道というところに、村何何某新右衛門という頭役の屋敷前で、蛙が蛇を呑み込んだので、人々は不思議だと思っていた。 人々が行ってみると、蛇は一尺五六寸ほどの長さで、この地ではアヲナムサという名前の蛇であった。蛙はいつも見る蛙であったが、少し大きめであった。 蛙は蛇を半呑みにして争っていたが、一日一夜かかって蛙はとうとう蛇を呑み込んでしまった。三つ足のヒキガエルは蛇に打ち勝つとい
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