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ブックマーク / copipe.cureblack.com (2)

  • 手紙将棋

    師匠は将棋が得意だ。 もちろん将棋の師匠ではない。大学の先輩で、オカルト マニアの変人である。俺もまた、オカルトが好きだった ので、師匠師匠と呼んでつきまとっていた。 大学1回生の秋に、師匠が将棋を指せるのを知って勝負 を挑んだ。俺も多少心得があったから。しかし結果は 惨敗。角落ち(ハンデの一種)でも相手にならなかった。 1週間後、パソコンの将棋ソフトをやり込んでカンを取 り戻した俺は、再挑戦のために師匠の下宿へ乗り込んだ。 結果、多少善戦した感はあるが、やはり角落ちで蹴散ら されてしまった。 感想戦の最中に、師匠がぽつりと言った。 「僕は亡霊と指したことがある」 いつもの怪談よりなんだか楽しそうな気がして、身を乗 り出した。 「手紙将棋を知ってるか」 と問われて頷く。 将棋は普通長くても数時間で決着がつく。1手30秒 とかの早指しなら数十分で終わる。ところが手紙将棋 というのは、盤の前で

    手紙将棋
    raf00
    raf00 2014/05/11
    なんて美しい物語だろう。
  • 電話に出る何か

    私の実家には電話に出る「何か」がいる 家に誰も居ないとき限定で、家の固定電話に電話をかけると「何か」が電話に出る それが無言でもなくノイズでもなく、ごく普通に「はい(苗字)です」と、若い男性(印象としては20前後ぐらい)の声で。 で、「何か」に用事を頼むとしっかりこなしていてくれる。 ・お風呂沸かしておいて ・○○の電源切り忘れたから切っておいて ・何時になったら洗濯物を取り込んでおいて などなど、敷地内限定かつ人に出会わないもの(宅配受け取って、などはNG) 私が生まれたころからはじまったのでかれこれ数十年になるんだけど、いまだに「何か」は家にいるらしい。 この間ためしに「母に○○と伝言お願い」と頼んだら、母が帰宅したらテーブルの上にメモ書きとして置かれていたそうな。

    電話に出る何か
    raf00
    raf00 2012/10/27
    なんともほっこりする話だ。
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