2005年4月に起きたJR宝塚線(福知山線)脱線事故の車両に乗務していた松下正俊車掌(47)=休職中=が「事故で適応障害になり、長期の休職を迫られた」などとして、JR西日本に事故当時の職場への復職と100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が22日、大阪地裁であった。中村哲(さとし)裁判長は、松下車掌側が主張していたJR西の安全対策の不備について「事故の発生は予測できず、自動列車停止装置(ATS)を現場カーブに整備する義務があったとは認められない」との判断を示した。 一方で判決は、復職と損害賠償については「人事異動が出ていない段階での請求は訴えの利益を欠く」などとして退けた。 宝塚線脱線事故で、JR西の安全対策をめぐる司法判断が示されたのは初めて。今回の判決は、業務上過失致死傷罪で21日に公判が始まった山崎正夫前社長(67)や、同罪で強制起訴されて公判前整理手続きに向けた準備が進められてい