奥深い山地にある大木の株に生えるため、従来はほとんど人目に触れることがなかったが、ナラやシイなどが枯死する「ナラ枯れ」が広がるにつれて自生の範囲が拡大。里山でもカエンタケが生える株が増えたためらしい。1999年には新潟県で、食べた人が死亡した例もあり、自治体や専門家が注意を呼びかけている。 カエンタケは高さ3~15センチ。赤やオレンジ、赤茶色で、人間の手の指のような形をしている。触ると、その後皮膚がただれ、食べた場合は下痢や嘔吐(おうと)、運動や言語の障害を引き起こす。致死量は3グラムとされる。 大阪市立自然史博物館の佐久間大輔・主任学芸員によると、全国での目撃情報は年1、2件だったが、2000年以降は毎年十数件寄せられるようになった。京都市内では08年から10か所以上で見つかっている。