2017年はどんな一年になるのかな? そんな視点で街を見わたすと、私たちの暮らしを変えた技術の導入から、この春で50年になると知った。駅での乗降をスムーズにした「自動改札機」。その歩みと開発に込められた思いは、未来へつながっていた。 「『ここに定期券を通してください』と言われ、なんでこんなことをするのかと思った。でも、通すだけでいいし、えらい便利なもんができたと思ったね」。阪急電鉄北千里駅(大阪府吹田市)を利用する杉山仁一(ひとかず)さん(85)は、50年前を懐かしそうに振り返った。 杉山さんは1960年代半ばから、吹田市と豊中市にまたがる千里ニュータウン(NT)の府営住宅で暮らしてきた。入居して約3年後の67年3月1日、千里線の延伸に伴って北千里駅ができ、日本で初めて自動改札機が実用化された。 千里丘陵での日本万国博覧会が3年後に迫るなか、千里NTの人口は増加。府内全体も57年からの10