住民らが、生活路として長年横断している遮断機も警報機もない非正規の踏切、通称「勝手踏切」が全国に少なくとも約1万9000か所あることが国土交通省の調査でわかった。 10月には長崎県佐世保市の松浦鉄道で幼い子どもがはねられる事故も起きた。鉄道会社は封鎖を目指しているが、住民の反対に遭うこともあり、対応に苦慮している。 勝手踏切の通行は、線路への立ち入りを禁じた鉄道営業法に反するが、数は長らく不明だった。国交省が3月、踏切の安全対策を盛り込んだ改正踏切道改良促進法案の国会審議に合わせ、鉄道会社116社を対象に初めて調査した結果、約1万9000か所に上った。「把握していない」とした会社もあり、実態はさらに多いとみられる。 会社別や地域別の件数などの内訳について、国交省は「公開を前提に聞いておらず、明らかにしていない」と説明。JR九州は「正式な踏切ではないので、何か所か把握していない」とし、住民ら