E3の話題にまぎれてしまった感があるが、どうしてもここに書いておきたいことがある。それは、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」シリーズ、「NiGHTS」、「ファンタシースター・オンライン」など、セガのコンシューマ事業において多くの作品を生み出してきた中 裕司氏についてだ。その彼がセガを退社し、「株式会社プロペ (PROPE)」を設立した。 本来は、個人的な体験として胸に秘めておくべきことだろうが、僕が感じているプロデューサー中 裕司の素晴らしさについて書かれた文章を読んだことは、まだ無い。良い機会であるので、彼の仕事を間近で見た人間として、彼のことを語ってみようと思う。 一言でいうなら、彼は産婆であった。 ゲームを子供に例えるならば、僕らゲーム制作者は母親である。しかし、子供を産み出すことに必死で、時として胎内での子供の成長を見誤り、間違った栄養を与えたり、逆に栄養が足りなかったりして、最悪の場