海外での死の傾向 海外旅行は1990年に初めて1,000万人を突破し、それに伴って日本人の海外での事件・事故に巻き込まれる件数も増大している。外務省領事移住部邦人保護課が発表している「海外邦人関係援護統計」によると、1988年度に海外で日本人が関係した事件・事故は8,354件、9,771人で1万人近い日本人が被害にあっている。 この9,771人のうち、死亡したのは325人で、死亡原因は事故・災害によるものが152人(半数以上の69人が交通事故死)、犯罪による死亡者が22人、その他病気や自殺が151人となっている。 今回は海外における日本人の事故・犯罪被害について特集を組んでみた。 死亡者に対する処置 日本人が海外で死亡した場合、まずしなければならないのは遺体をどうするかである。処置方法としては現地で火葬するか、遺体を日本に運び国内で火葬をするかのいずれかである。費用を考えてみると、現地で火