個人が自己の将来像と現状との落差を見すえ、積極的に学ぶようになる過程のこと。米国の経営学者 P.センゲは、これを「学習する組織」にとって不可欠な条件の1つとした。「マスタリー」は英語で「熟達」を意味する。 自己マスタリーには知識やスキルの習得だけでなく、心の成長も必要とされる。自己の将来像と現状との落差を知ることは、個人の心に緊張をもたらす。センゲによれば、この緊張こそが将来像と現状との落差を埋めようとする努力を促すものであり、その努力の過程で心は成長し、人生を受け身ではなく創造的に生きられるようになるという。こうした心の成長を促すのに適度な緊張のことを、センゲは創造的緊張とよぶ。