『シチュアシオン』(Situations)は、ジャン=ポール・サルトル(Jean-Paul Sartre)の評論集であり、10巻からなる。 第1巻は評論集である。フランソワ・モーリヤックの小説技法について小説は一個の人間によって多くの人間のために書かれるものであるのに「作者は神の全知全能を選んだ」としてモーリヤックを厳しく批判した「フランソワ・モーリヤック氏と自由」や、モーリス・ブランショを紹介した「アミナダブ」、ジョルジュ・バタイユに対して「非-知」とは自己欺瞞であるとし、それを神秘主義だと断じた「新しい神秘家」などは有名である。他にアルベール・カミュ、ウィリアム・フォークナー、ジャン・ジロドゥー、フランシス・ポンジュなどの評論がある。またエドムント・フッサールの現象学をフランスに紹介した「フッサールの現象学の根本的理念」なども収録されている。極めて独自の手法を用いたこれらの作家論は、あ