次は何を読もうかと思うと、いくらでも読みたい本はでてくるのだが、これという決め手がない。そこでW氏(誰? という方は本サイトの「ゲストブック」へ)に触発されたこともあり、三木清の『人生論ノート』(新潮文庫)を読むことにした。これは同時に木田元の『新人生論ノート』(集英社新書)を読むための布石でもある。(いや、それよりも途中で放置されている木田元『偶然性と運命』(岩波新書)をまず読むべきかもしれないが。)もちろん、三木清を読むことには十分意義があるだろうという期待はあるので、はたして如何。 『人生論ノート』は雑誌『文学界』に連載されたもの(昭和13年~16年)を中心とした随筆集である。しかし、難解な、あまりに難解な随筆。わずか15ページ読むのに2時間も費やした私の苦労がそれを反映している(私はとりたてて読解力が劣っているとは思えないのだが)。その難解さは、いくつか引用する文から、簡単にわかっ