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ブックマーク / www.fit.ac.jp/~y-tanaka (1)

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    愛の無常について 序 亀井勝一郎 人間とはなんであるか。汝自身とは何ものであるか。無数の人間が眼前に存在し、自分 もまたたしかに実在していると思いこんでいながら、 さて改めてこの問いを徹してみると、 我ながら異様な不安に襲われるのであります。実在と思いこんでいるその根拠が、いかに 薄弱であり不安定であるか、 「開放」さるるにつれてこの危惧は増大するらしくみえるの です。自己とは、自己の内部でなく、外部に閉じこめられている一種の「動揺」にすぎな いのではあるまいか。あるいは一の幻影。激烈な世に生きつつ、日々私はこうした疑念に 襲われるのであります。 そこで私は、 非力をもかえりみず、 人間研究の書といったものをかく気になったわけで、 自己を素材としつつ、人間存在の実態をできるだけたしかめたいと思い立ちました。自己 を素材にするとはいえ、このは自叙伝ではありませぬ。私という極めて微少な

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