直観主義というのは,「数学的対象は完結した存在 (神,イデア) ではなく,人間の心によって構成されていくものだ」 という思想です. π は π として最初から存在しているわけではなく,1 ステップずつ計算されて,徐々に形作られているものだよー,だから排中律なんてナンセンスだよーと. ブラウワ : 「本当,排中律とか無限 (極限) ってキモい.こんな,実際に作ることができないものを認めているから,数学は不確実になってしまうんだよー」 ヒルベルト : 「あんた馬鹿ぁ ? 数学者から排中律を奪うのは,天文学者から望遠鏡を,ボクサーから拳を奪うようなものだよー.よし,こうなったら,有限の立場でちゃんと数学の正しさを証明したる !」 という,数学の基礎をめぐる論争が,やがては不完全性定理へとつながり,チューリングマシンへとつながり,現在のコンピュータへとつながるわけですね.ドラマティック. 前回触れ