柔道女子日本代表への暴力で選手から告発され、記者会見する園田隆二監督(右端)=31日午後、東京都文京区の講道館 集団告発という異例の手法でトップ選手が指導者に「ノー」を突きつけた今回の問題は、指導方法のあり方だけでなく、代表チームを指導する人材の育成に暗い影を落としかねない。 代表監督の経験を持つある競技団体の指導者は、選手の声が強まる昨今の風潮に「暴力は論外だが、選手のわがままが通り放題だと選手強化が成り立たなくなる」と懸念する。 プロスポーツと異なり、アマチュアで代表監督を生業とする指導者はほとんどいない。多くは公務員や会社員、大学教員などの肩書を持ち、本職にかかわる時間を削りながらトップアスリートを鍛えているのが実情だ。 「指導」と「暴力」の境界線はあいまいで、柔道以外でも同種の事案が再発する恐れは少なくない。「代表監督は割に合わない“仕事”というのが今回の正直な印象。このままでは代